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[ モノづくりの向こう側 vol.02 ] 須浪亨商店 須浪隆貴さん

こんにちは。YAMAMOTOです。

友人へのプレゼントや手みやげは、ワインや日本酒がほとんど。なぜなら、自分がもらっていちばん嬉しいから。笑。
いぐさで編まれた「瓶かご」に入れて贈るのが定番です。これまた自分がもらって嬉しいから。笑笑。

瓶かごは丈夫で、重い瓶を入れても紙袋のように破れる心配もないし、ゴミも出ない。靴べらを入れたり、空き瓶を入れて草花を飾ればインテリアとしても絵になるし、いぐさ特有の爽やかな香りにも癒される。
畳と同じで、最初は青々しいいぐさは、少しづつきつね色に変化して味わい深く。そんな経年変化を楽しめるのもまた魅力のひとつ。

今回、瓶かごを作られている須浪亨商店の須浪隆貴さんが、倉敷から来東されていらっしゃると聞き、お話を伺った。

瓶かごを作られているのはどんな方なのだろう。。ドキドキしながら、銀座松屋の手仕事展へ。そこで須浪さんを一目見て、びっくり!

お、おじいちゃんじゃないーー!!しかも、お、おしゃれーーー!!!

いなわで器用に瓶かごを編み編みしている須浪さんは、なんと27歳。もともとおばあちゃん子だった須浪さん。18歳の頃から、おばあさまのいかご作りを手伝いはじめ、20歳の時、銀座松屋の手仕事展に出展したら一気にオーダーが増えたのをきっかけに、アルバイトを辞め、本格的に家業「須浪亨商店」を継ぐ決意をしたそう。それからもう7年になる。
おばあさまから教わった伝統的な技法は大切にしながら、持ち手の長さやモノを入れた時のバランス、細かい編み方の仕様など、試行錯誤しながら少しづつ改良を重ねてきた。

瓶かごが、素朴でシンプルな見た目なのにどこか粋でモダンに感じるのは、須浪さんのデザインセンスとちいさな工夫の積み重ねによるものだろう。
実際、アメリカ、フランス、イギリス、台湾、シンガポールなど世界中からオーダーがくるというからすごい!
作業はすべて手作業。いぐさを撚って丈夫な縄状のいなわを作り、そのいなわを地道に編み込んでいく。その日の気温や湿度により、いなわの太さや固さが微妙に変わるので、手加減で調整しながら、1時間で編み上げられる瓶かごは、頑張っても3つほど。ほぼ休まず毎日編み続けているそう。

倉敷にある工房の様子



須浪さんが作業をするのは、夜中。YouTubeでアニメを見たり、ラジオを聞きながら、ひたすら編み続けるそう。「完全に夜型ですね。空が明るくなって、庭の野菜に水やりをしてから寝ます。」と須浪さん。

ーー ずっと同じ作業を繰り返していると飽きませんか?
「飽きません。子どもの頃から手を動かすのが好きなんです。最近は凧を作ったり。仕事抜きで新しいかごも作っていて、その余った皮革でサンダル、家のスリッパも作りました。
あと、昔はいぐさで作られていたのに今はもう作られていないものを作って、現代の暮らしの中に復活させていきたいですね。うちわとか花ござとか。吸湿性の高いいぐさは湿度の高い日本の暮らしに合うので。」

ーー 日々の暮らしの中で、これは外せないというこだわりのモノはありますか?
「天童木工のカブトチェアですかね。もうずっと座っています。他の椅子だとしっくりこなくて。あと地元の先輩作家でもある石川昌浩さんの倉敷ガラスのうつわも愛用しています。
郷土玩具とか古いモノも好きですよ。旅先で見つけると買って、集めています。」
須浪さんの工房には、世界中のかごや民芸品も飾られているそう。ポケモンのフィギュアも!

「僕は姿勢が悪いので、だいたい片足上げてたりするんですが、座面が広いのでこれ使ってます」と須浪さん (ご本人 撮影)

ーー 将来、子どもに継いでほしいですか?
「強制することはないですね。自由に道を選んでほしいです。今お手伝いしてもらってる方がいるのですが、技術を習得して独立してくれたら嬉しいですね。そうしていかごの伝統文化を広めて、残していきたいです。」
(現在お弟子さんは募集していないそうです)

インタビュー中、少し照れながら、ゆっくり静かに話す須浪さん。誠実なお人柄の中に、時々垣間見えるおちゃめな一面が母性本能をくすぐる魅力あふれる方でした。

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須浪亨商店 須浪隆貴 ryuki sunami

日本で唯一のいかご職人。須浪亨商店は1886年創業、いぐさの産地であった倉敷で、畳の材料にならない短いいぐさを活用して「花ござ」や「いかご」を製造されていました。5代目の隆貴さんがおばあさま直伝の技法で「いかご」を一点一点手作りしています。
HP: http://maruhyaku-design.com/
Instagram: @sunaaaaaaaaami

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写真:mika araki  文:YAMAMOTO